初代Surface DuoのSIMロック解除は日本からでも無料で可能!?
初代Surface Duoが破格の12万円引きで買えてしまいました。在庫処分で8万円ほど安くなっていましたが、AT&TのSIMロックモデルだったため、さらにお得に。(詳しくは前記事)SIMロックモデルなので、そのままでは日本のキャリアでは通信できません。ですが、どうもSIMロック解除は日本からでも無料で可能らしいのです。
だったら解除できればラッキー、まあ最悪Wi-Fi運用でもいいや、ということで勝負に出てみました。
結論を言うと、うれしいことに無事アンロックできました。
ただし、そのためには英語でのテキストチャットという、ちょっとした試練が。
リアルタイムで英語を読んで書くだなんて……と尻込みする方もいるかもですが、実際に挑戦してみるとけっこう何とかなりました。
話す内容は事前にだいたい分かりますし、DeepLみたいな翻訳ツールだって使えるし、学校の試験ではないのだから語彙や文法に自信がなくても伝わりさえすれば大丈夫だし。
というわけで、どんな流れでどんな話をしたのかを書いておきます。
アンロックコードが届くまで3週間
まず、全体の流れから。アンロックコードが届くまで、初動から3週間かかりました。
- 11/7 AT&Tに申請(フォーム)
- 11/16 AT&Tより却下の連絡
- 11/17 Microsoftに申請(テキストチャット)
- 11/28 Microsoftからアンロックコードがメールで届く
日数はずいぶんかかりましたが、ほとんどが連絡を待つ時間です。
実際の稼働は、フォーム入力の数分と、チャットが20分くらい。
まずはAT&Tにフォームで申請
まず最初に、AT&TにSIMロック解除を申請しました。英語ではありますが、フォームに必要事項を入力するだけです。自分のペースで進められるので、チャットと違って気楽です。
フォームでの申請手順を以下でざっとなぞります。
Surface Duo上で申請してもいいですが、PCからでも可能です。
- https://www.att.com/deviceunlock/ にアクセスし、「Unlock your device」を選びます。
- 「Are you an AT&T wireless customer?」はNo。(AT&Tの契約があるならYesですが)
- IMEIというのは端末固有のID番号。1台1台異なります。箱に貼られたラベルに書かれています。本体の[設定]→[バージョン情報]からも確認できます。
- 「ロボットではありません」と規約同意にチェックしてNext。
- 次のページでは、名前を半角アルファベットで入力します。漢字やカナはたぶんダメです。携帯電話番号とメールアドレスも記入。 電話番号の入力が必須です。かかっては来ませんでした。とはいえ、あんまり適当な電話番号だと内容不備で却下されるかも。正直に入力したほうがいいと思います。
- Submit(送信)したら自動送信の確認メールが届きます。件名は「24 hours to confirm your unlock request」(24時間以内に確認してください)。
メール文中に「Be sure to confirm your unlock request within 24 hours or it'll be canceled.」(24時間以内にロック解除申請を確認しないとキャンセルするよ)とあるので、「confirm」(確認)のリンクを必ずクリックします。 - あとは連絡が来るまで待ちます。
さっきのメールにステータス確認のリンクがあったので、待ち切れない場合は確認しに行くこともできます。確認したところで処理が早まるわけでもないですが。
AT&Tからアンロックできないとメールが届いた
11/7にフォームから申請して9日後、11/16。AT&Tから「We can't approve your unlock request」(ロック解除申請は認められません)という却下のメールが届きました。ショック……。
曰く、
・This device is no longer actively supported
(この端末はもうサポートされていません)
・There is no unlock code available for this device
(この端末のアンロックコードが入手できません)
世の中にはここでアンロックコードが発行された人もいるらしいのに。私は時期が遅かったのか、個体差なのか……残念。
ただし、ネットで見かける体験談でも「AT&Tからはコードをもらえなかった」という話のほうが多かったです。フォームの段階でアンロックできるのは例外的にラッキーな場合と思うことにして、めげずに先に進むことにします。
却下されるかもしれないなら、最初からMicrosoftに連絡するほうがいいのでは? とお思いかもしれませんが、たぶんまずはAT&Tに申請したほうがいいです。
というのも、後述しますが、Microsoftとのチャットで「AT&Tからサポートが得られるがコンタクトしたか?」と聞かれたからです。Noと答えると「先にAT&Tに問い合わせてみて」と言われそう。
Microsoftへのアンロック申請は英語でのテキストチャット
いよいよMicrosoftのカスタマーサポートに連絡します。対人ですので、米国の営業時間に連絡する必要があります。
土日も営業しているみたいですが、時間帯が日本時間だと夜22時~午前10時とのこと。(夏時間だと夜21時~午前9時かも?未確認ですが)
チャットに到達するまでの道のりは、日本からの問い合わせを想定していないようで、ちょっと手間がかかります。
- https://support.microsoft.com/en-us/contactus にアクセスします。
- ページが日本語で表示された場合、URLが「ja-jp」になっているので手動で「en-us」に書き換えます。
- 英語になったら、質問入力欄に「Surface Duo」とでも入力します。この時点ではまだ対人ではないので焦らなくていいです。
- Recommended helpがいろいろ表示されますが、スルーして「Contact Support」ボタンを押します。(Microsoftアカウントに未サインインの場合は「Sign in to Contact Support」のボタンを押してサインインします)
- 問い合わせたい事柄をプルダウンで選ぶ画面になるので、Surface Duoのテクニカルサポートを選びます。
- テキストチャットか音声通話を選びます。
Microsoftサポートとの英語チャット例
私の場合、チャットがどんな感じで進んだか、日本語に訳して記しておきます。(対人チャットですので、誰もが同じ流れで進むとは限りませんが)
(定型文の後に)
どうしました?
どうしました?
AT&TがSurface Duoのアンロックコードをくれません
問い合わせありがとう。コードを入手できるよう取り計らいます。
まず名前、メールアドレス、電話番号を教えてください。端末のシリアルナンバー、IMEIも。
まず名前、メールアドレス、電話番号を教えてください。端末のシリアルナンバー、IMEIも。
名前は~、メアドは~、電話は~
シリアルは~、IMEIは~
シリアルは~、IMEIは~
情報ありがとう。なんて素敵な名前!(←アメリカンなテンション)
シリアルナンバーをデータベースで確認できました! グレートなSurface Duoにエクセレントなパフォーマンスをもたらしたくて問い合わせをくれたのですね。(←アメリカンなテンションその2)
いま抱えている問題のせいで、あなたはこの端末をフルにエンジョイできていないことでしょう。(←アメリカンなテンションその3)
しかし私ができる限りのことをいたします!
シリアルナンバーをデータベースで確認できました! グレートなSurface Duoにエクセレントなパフォーマンスをもたらしたくて問い合わせをくれたのですね。(←アメリカンなテンションその2)
いま抱えている問題のせいで、あなたはこの端末をフルにエンジョイできていないことでしょう。(←アメリカンなテンションその3)
しかし私ができる限りのことをいたします!
AT&Tはフォームからアンロック申請を受け付けていますが、連絡しましたか?
もししたなら、ケースナンバーと、AT&Tが言う却下理由を教えてください。
もししたなら、ケースナンバーと、AT&Tが言う却下理由を教えてください。
yes
ケースナンバーはNUL~、理由は~
ケースナンバーはNUL~、理由は~
ありがとうございます。このケースについて説明させてください。
アンロックコードを提供できるのは1社だけです。このケースでは、AT&Tがコードを提供する必要があります。ですので私からエスカレーションします。3~5営業日かかりますが、コードが提供されたらメールでご連絡します。
アンロックコードを提供できるのは1社だけです。このケースでは、AT&Tがコードを提供する必要があります。ですので私からエスカレーションします。3~5営業日かかりますが、コードが提供されたらメールでご連絡します。
それでどう?
ok
エクセレント! では今回のお問い合わせをおさらいしますね。
(まとめ)
ほかに私がお手伝いできる問題がありますか?
(まとめ)
ほかに私がお手伝いできる問題がありますか?
no, thanks
グレート! では今回のお問い合わせについての評価をお願いします。お問い合わせありがとう。よい一日を!
チャットと言っても、ご覧のとおり、こちらは訊かれたことをたどたどしく中1で習う英語で答えただけです。礼儀正しいコミュニケーションではなかったですが、向こうも名前を見た時点でネイティブスピーカーではないと察してくれたのではないかな…と。
名前を褒めてくれるとか、自社製品をグレートと形容するとか、なかなか日本では見られないテンションでした。お国柄というのもあるでしょうけど、リラックスさせるためのテクニックでもあるのでしょう。新鮮な体験でした。
ともかく。対応してくれるとの回答をもらいました。あとは待つだけです。
ちょっと期日は過ぎたけど、アンロックコードが届いた
「3~5営業日」と言っていたのに、過ぎても連絡が来ません。やきもきしていていたところ、11日後にメールが届きました。だいぶ長く感じましたが、営業日換算だと、途中に米国の祝日もあったので6営業日が過ぎた後の週末、向こう時間で土曜午前(日本時間だと日曜未明)でした。営業日だと2日は遅れなかったということになります。
週末に来たってことは、オーダーが積み上がっていて休日返上で対応しているのかもしれませんね……。
メールはざっくり訳すとこんな感じ。
大変お待たせしました! コードは ***************9 です。末尾の数字云々は、最初何を言っているのかと思いましたが、あぁこれ、16桁以上の数値がExcelだと後ろが0になってしまう問題の対策な気がします。
Surface Duoの電源を切ってSIMを外し、SIMを入れて電源をオンにしてください。そうしたらアンロックコードを入力してください。もしエラーになっても心配しないで。末尾の数字0を1~9に変えて試してみてください。
助けが必要なら、遠慮せずに問い合わせてくださいね。
チャットのときの感じだと複数の事業者がアンロックコードを管理しているようなので、うっかりExcelで管理してしまう事業者がいるのでしょう。
今回もらったコードは末尾0ではないので、関係なさそう。
では。もらったアンロックコードを入力してみます。
無事にSIMロックが解除されました!
ロック解除成功時の写真を撮り損ねるほど、あっさり成功しました。
AT&Tモデルは日本のどのキャリアで使える?
SIMロック解除後にAPN設定画面に行ってみると、実は日本の通信事業者の設定もいろいろ入っていたことが分かります。Surface Duoの日本で使える対応4Gのバンドは、仕様によると以下のとおり。(5Gは使えません)
1 (2GHz) | ドコモ/au/SB |
---|---|
3 (1.7GHz) | ドコモ/au/SB/楽天 |
8 (900MHz) | SB |
19 (800MHz) | ドコモ |
26 (800MHz) | au/(楽天) |
28 (700MHz) | ドコモ/au/SB |
1.5GHzや3.5GHz帯は掴めないものの、プラチナバンドは全キャリア対応。MVNO含めて、つながらないということはなさそうです。
AT&TモデルはeSIM非対応?
なお、SIMフリーモデルとAT&Tモデルでは、SIM周りで大きな違いがあります。- SIMフリーモデル: nanoSIM×1 / eSIM×1
- AT&Tモデル: nanoSIM×1(eSIMなし)
一方でAT&Tモデルは、仕様上はeSIM非対応となっています。アンロックした場合はどうなのかは分かりません。
まとめ:Surface Duo(初代)は日本からでもSIMロック解除できた
というわけで、「AT&TのSIMロックモデルSurface Duoは、日本からでもオンラインで無料でSIMロック解除ができる」というのは本当でした。とはいえ、いつまで可能かは分かりません。臆さず寝かさず、早目にチャレンジしてみるのが得策かなと思います。