世界最小のおサイフケータイといえばRakuten Miniですが
小さいスマホっていいですよね。気軽にポケットに入れて持ち歩けるし、何と言ってもテクノロジーの凝縮感がワクワクします。でも、スマホでしたいことのすべてを小さいスマホでこなすにはさすがに不便。どうしても2台持ちになります。どうせ仕事上AndroidとiOSの両方を普段遣いしておきたいので、2台持ちするのは良しとしましょう。
となると、小さい機種のラインナップがないiPhoneがメイン機となります。LINEやらWebやら地図やら乗換案内やらを日常的に使うには、やはりそれなりの大きさが望ましい。
一方の小さいAndroidはサブ機となりますが、せっかく持ち歩くなら何かしら役に立ってほしい。小さくても差し支えなくて、さらにAndroidにしかできないことといえば……筆頭はやはりおサイフケータイでしょう。
SuicaならiPhoneでも使えますが、nanacoや楽天Edyも使いたければ、Android一択です。
というわけで「モバイルFeliCa搭載のスマートフォンにおいて世界最小、最軽量」を謳う Rakuten Mini はものすごく気になっていました。ですがeSIM専用という取り回しの悪さに躊躇して、しかも端末価格1円キャンペーンの適用を受けられなかったというのもあり(第1期無料サポータープログラムから使っているので)、手を出せないでいました。
そんな中、新たに「世界最小」を掲げるモバイルFeliCa搭載スマホ、Jelly 2 が登場したとのニュースを目にしました。
……世界最小が2つ?
Rakuten MiniとJelly 2、どちらが世界最小?
Jelly 2 は中国Unihertz社がクラウドファンディングで出資を募るAndroidスマートフォン。日本の通信キャリアと付き合いのないメーカーがモバイルFeliCaを搭載してくるのは相当珍しいです。(もしかして初?と思ったけど過去に NuAns NEO [Reloaded] があった。他にもあったかな)中国メーカーですが技適は取得予定とあるので日本でも安心して使えます。
気になるスペックですが……とりあえずまず疑問なのが「どっちが本当の世界最小?」ということ。
結論から言うと、どちらも嘘は言っていません。というのは、どちらも条件付きだから。
まず、後発のJelly 2の謳い文句はこちら。 「Android 10の4Gスマートフォン」として最小。Android 10で4Gに対応していないスマホが世の中に存在するのか分かりませんが、Android 10で4Gなら世界最小です。モバイルFeliCaが載っていようといなかろうと。
先に出たRakuten Miniが言う最小の定義はこちら。
「モバイルFeliCa搭載のスマートフォン」で最小。ただ、「最小」は体積による比較、という発表当初はなかったような気がする一文が付け加わっています。
エクスキューズが必要ということは、つまり体積ではない「面積での比較では最小ではない」ということなんでしょうか。
実際の数値を見比べてみます。
Rakuten mini | Jelly 2 | |
---|---|---|
サイズ(mm) | 106.2×53.4×8.6 | 95×49.4×16.5 |
重量 | 79g | 110g |
バッテリー | 1,250mAh | 2,000mAh |
なるほど確かに。
Jelly 2は面積こそRakuten miniの83%程度ですが、体積だと159%と大幅に上回ります。
Jelly 2の厚さ16.5mmはなかなか見ない大胆な数値です。Xperia 1 II(7.9mm)を2台重ねてもまだ余ります。
重さについては、今どきの売れ線のスマホが大体150~200gほどなので、Jelly 2の110gはかなり軽いのですが……Rakuten miniの79gが軽すぎます。軽いと言われるiPhone SE(第2世代)(148g)の半分近い。
まとめると、面積の小ささを取るならJelly 2、薄さや軽さ重視ならRakuten mini、ということになります。
ただ、薄くて軽いのが絶対正義かというとそうとも限らず、Jelly 2は薄さ軽さを犠牲にしてバッテリー容量を多くした感があります。利用スタイルによって好みが分かれそうなポイントです。
ちなみによく「カードサイズ」なんて言いますが、クレジットカードは85.60×53.98mm。Rakuten miniもJelly 2もカードよりは細く、でもカードより長いです。
(余談)
小さくて厚いおサイフケータイといえばドコモ AQUOS PHONE st SH-07D(右写真)を思い出したのでスペックを見たら、107×54×11.9mm / 108g でした。意外と厚くなかった。
Jelly 2とサイズ感が近いのは子ども用ケータイでした。ドコモ キッズケータイ F-03J(右写真)が91×49×16.8mm / 80g。重さは違うけど、筐体の大きさ・厚さはだいぶ近いです。丸っこい形も似ているかも。(画面サイズはかなり違います)
Rakuten MiniとJelly 2を比べてみる
それぞれが世界最小だと分かったところで、他のスペックも比べてみます。まず基本的なところから。
Rakuten mini | Jelly 2 | |
---|---|---|
画面 | 3.6インチ 1,280×720 | 3.0インチ 854×480 |
CPU | Qualcomm Snapdragon 439 (Antutu8 約9万) | MediaTek Helio P60 (Antutu8 約16万) |
RAM/ROM | 3GB / 32GB | 6GB / 128GB |
MicroSD | - | 可(SIM2と排他) |
Jelly 2はこの画面解像度で最近のアプリがちゃんと表示・操作できるのか、ちょっと不安になるレベルです。(ちなみに上述のSH-07Dがまったく同じ解像度でした。あちらは3.4インチですが)
そのかわり処理性能は申し分ありません。画面スペックからすると過剰なくらい。
次に通信関係です。
Rakuten mini | Jelly 2 | |
---|---|---|
SIM | eSIM×1 | デュアルSIM |
対応バンド(4G) | 3/4/5/18/19/26/28 (現行モデル) | 1/3/8/18/19/26/28/41 (日本の分だけ抜粋) |
Rakuten miniのeSIMは好みが分かれるところ。オンラインで契約が完結するメリットを見るか、手持ちのSIMカードを使い回せないデメリットを見るか。
ただ、Rakuten miniは先日騒動になったようにバンド1がこっそり使えなくなったため、楽天モバイル以外のキャリアでは接続性は良くなさそうです。
Jelly 2はドコモ・au・SoftBank・楽天いずれも不自由なく使えそう。
その他もろもろ、両者で違うところ。
Rakuten mini | Jelly 2 | |
---|---|---|
生体認証 | 顔 | 指紋 |
防水防塵 | IPX2/IP5X | 非対応? |
3.5mmイヤホン ジャック | - | あり |
ストラップホール | あり | - |
筐体色 | 黒/白/赤 | 黒のみ? |
Android | 9 | 10 |
Bluetooth | 5.0 | 4.2 |
カメラ(外/内) | 1,600万/500万画素 | 1,600万/800万画素 |
価格 | 17,000円 (キャンペーン時1円) | US$199? (Kickstarter $179) |
このマスクのご時世、顔認証は実用的ではありません。指紋認証は精度や認識速度によって大きく使い勝手が変わるので、スペック表からは何とも言いづらいです。
Jelly 2は防水がないのが残念。一方のRakuten miniも防水性能はIPX2と控えめで、楽天公式サイトでも防水ではなく「防滴」と表現しています。
カラバリは、Jelly 2はあるともないとも書かれていないのですが、写真を見る限り黒しかない模様。
3.5mmジャックは、やはりあると安心。イヤホンやヘッドセットはワイヤレス派なら、遊んでいるジャックにalumania STRAP TYPE HEADPHONE CAP for 3.5mm PLUG等でストラップを付けるという使い道もあります。(それを言い出すとRakuten miniには標準でストラップホールが用意されているのですが)
他には、上の表には挙げていないですがJelly 2のみの特徴として赤外線ポートやFMラジオがあります。
一応、共通点も挙げておきます。
Rakuten mini | Jelly 2 | |
---|---|---|
モバイルFeliCa | ○ | ○ |
USBポート | Type-C | Type-C |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n/ac | 802.11a/b/g/n/ac |
急速充電 | - | ?(多分非対応) |
ワイヤレス充電 | - | - |
ワンセグ/フルセグ | - | - |
どちらも Type-C や 802.11ac という最近のトレンドは押さえています。急速充電がないのは惜しいですが、電池容量がそれなりなので大差ないという考え方もできます。
FeliCaについては、厳しいと言われるSuicaの検定はJelly 2大丈夫なんだろうかという一抹の不安があります。世の中にはFeliCa搭載だけどSuicaに対応できなかったwena wristという例もありますし、「Suica対応したかったんだけどダメだったわゴメン!」というリスクがあるのがクラウドファンディング。
質問したらノープロブレムと返事が来たという記事もあり、大丈夫だと思いたいですが。
Jelly 2のクラウドファンディングの〆切はもうすぐ
そんなJelly 2の出資募集は8月22日22時(JST)まで。通常価格よりUS$40割引のUS$179でバックできます(ただし日本向けFeliCa搭載&送料がUS$20かかるので実質割引額は$20?)。出荷は12月(以降)予定。いや~やっぱ薄いほうがいいわRakuten miniかな~という方は…回線契約セットで1円で購入できるキャンペーンは6月に終了していますが、別のキャンペーンを狙うか、通常価格で契約するか、オークションなどで未使用品や中古品を探すか、入手手段はいろいろあります。