2020-10-14

骨伝導ワイヤレスヘッドセットをテレワークで使いたくて AfterShokz OpenMove を買った

テレワークに骨伝導ワイヤレスヘッドセットを使ってみたい

これまでテレワークのオンラインミーティング用に Plantronics(現・Poly)の Voyager Legend(右写真)を使ってきました。
Voyager Legend、とてもいいヘッドセットです。音質も使い勝手も特段文句がありません。
あえて難点を挙げるなら、充電端子の接触がいまいちで、充電したつもりができていないことがたまにあるくらいでしょうか。

おおむね満足しているのですが、一日に何件もオンラインミーティングしているとどうしても耳が物理的に痛くなります。ずっと耳に装着しているのだから仕方ないのですが、とはいえ。
Voyager Legend は片耳タイプなので、右耳左耳と交互に付け替えていれば多少はマシですが、まあ、対症療法です。
もっと適切なイヤーピースに替えればいいのかもしれません。でも選び方がよく分からないのと、どのみち耳を圧迫することには変わりないよねという思いが。

そこで、「耳に入れない」が売りの骨伝導ヘッドセットを試してみることにしました。

選択肢が少ない骨伝導+ワイヤレス+マイク付き

骨伝導は自分にとってまったく未知のジャンルだったので、どういうブランドがメジャーで価格帯はどのくらいかを把握しようと量販店に行きました。
……棚が小さく、選択肢がほとんどありません。なかなかニッチな市場のようです。

棚にあるとしても、ほとんどがスポーツ向けの製品でした。
耳を塞がないから周りの音がよく聞こえ、車の通る道をランニングしていても安全に音楽が聞ける、という売り出し方のようです。

そんな中で目に留まったのが AfterShokz OpenMove
AfterShokzというブランドは今回初めて知りましたが、長年骨伝導の製品を手掛けているメーカーのようです。アマゾンや他のサイトのレビューを見ても、「いま使っている製品が壊れたらまたこのブランドで買う」という継続的なユーザーが何人もいます。信頼されているブランドというのはポイント高いです。

この OpenMove も主にスポーツ向けの製品のようですが、テレワークのヘッドセットとして使う場合はどうでしょう。気になる点を見てみます。
(これまで使ってきた Voyager Legend との比較が多いです)
【マイク】デュアルマイク、ノイズキャンセルあり
この形状でマイクが付いてるのか心配になりますが、なんとデュアルマイク
トリプルマイクの Voyager Legend には劣りますが、自宅テレワークなら周りは特に騒がしいわけでもなく、デュアルでも十分かと。
【重量】29g
Voyager Legend は片耳タイプですが18gでした。一見 OpenMove のが重いですが、こちらは両耳タイプ。片耳単位の負担はむしろ軽くなる(29÷2=14.5g)という考え方もできます。
【バッテリー】連続利用6時間
Voyager Legend は7時間だったので微減。まあ「6時間では足りないけど7時間なら足りる」というシチュエーションがどれだけあるかと考えると許容範囲です。
(月に一度くらいは7時間でも足りない日があるので、有線のイヤホンマイクはどのみち常備しています。うっかり充電を忘れることもありますし。)
【充電端子】USB Type-C
充電端子が蓋で隠れていて開け閉めが面倒ですが、スポーツ向けということもあり防水性能のため致し方ありません。なにより Type-C なのはありがたい
Voyager Legend は(上でも書きましたが)独自マグネット端子。充電していたのに何かの拍子に外れて、次の日の朝に充電できてなくて愕然とすることも度々でした。別売りの充電ケースを使えばマシにはなりますが、それでも接触がたまに悪くてちょいちょい充電に失敗するのと、ケースの充電端子が micro-B なのが今どき残念でした。
OpenMove は蓋の開け閉めは手間ですが、ケーブル直挿しはちゃんと充電できているだろうかという不安がいらなくて地味に嬉しいです。防水など不要ということなら蓋を引きちぎるという荒療治もできますし。

OpenMove と上位機種との比較

価格はどこのサイトでもだいたい税込9,999円。
AfterShokz社は骨伝導ワイヤレスヘッドセットのラインナップを数揃えていて、その中では OpenMove はエントリーモデルです。
じゃあ安いぶん上位機種よりも機能・性能が劣るかというと、これがなかなか絶妙なバランス

たとえば上位機種の Aeropex のほうが防水性能も高く(IP55→IP67)、連続利用時間も長く(6→8時間)、それでいて軽い(29→26g)のですが、値段は倍(9,999円→19,998円)になります。
一方で OpenMove には後発ならではの強みもあり、たとえば充電端子が Type-C なのはこれだけ。

スポーツ目的ならともかく、テレワーク目的だと OpenMove で十分という気がします。
(2020/10/15追記:会話機能を重視した上位機種 OpenComm が発表されました……。価格は OpenMove のほぼ倍ですが、音質・マイク・バッテリーなど大事な性能が上だそうで、今から買うならちょっと悩ましい)

中国ノーブランド品はいろいろあるけれど

ところで、量販店で選択肢が少なかったことは上述しましたが、実はアマゾンで探してみると中国のノーブランド・マイナーブランドの類似商品は山ほど見つかります。
しかも価格は OpenMove の半分くらい。

このジャンルを使い慣れているならサクラレビューを楽しみながら博打に出るのも一興です。でも今回は初めてなので検討から外しました。
すべての中国ノーブランド品に共通する「すぐ壊れる」「最初から使い物にならない」「書かれているスペックが適当」といったリスクだけでなく、ワイヤレスヘッドセットとしては次のような懸念もあります。
  • マイクのノイズキャンセルがcVc。効果はあまり期待できない
  • どういう品質管理されているか分からないバッテリーを頭に巻くのはちょっと……

AfterShokz OpenMove の使用感

というわけで AfterShokz OpenMove を購入しました。
テレワークで主にミーティング用ヘッドセットとして2週間使ってみての感想です。音楽再生や電話(オンデマンド通話)の発着信には使っていないので、そっち方面の使用感は分かりません。

まず良いところから。
耳を塞がない。周りの音も聞こえる
骨伝導なので耳を塞ぎません。オンライン会議中、宅配便が自分の発言中に限って届くというあるあるネタに遭遇しても、ドアホンを聞き逃すことはありません。
(もっとも、それまで使っていた Voyager Legend は片耳タイプなので、周りの音は普通に聞こえていましたが)
耳に入れない。痛くならないし開放感がある
耳に入れないので、耳の中は痛くなりようがありません。なんかムズムズすることもないですし、開放感がけっこう嬉しいです。
両耳で聞き取れる
Voyager Legend のような片耳タイプでは、ちょっと聞こえづらいな? というときに、装着している側の片耳だけに意識を集中するわけですが、それが意外と疲れる行為だったんだなという発見がありました。両耳で集中するほうがまだ疲労感が少ない気がします。(気のせいかもしれないですが)
マイク性能は十分
Voyager Legend と比べてマイク性能が劣るのが心配でしたが、ミーティング相手から「声が聞き取りづらくなった」という指摘は受けていません。騒音の少ない環境でのテレワークなら、マイクやノイズキャンセル性能は十分のようです。
USB Type-C はラク
充電したくなったらそのへんのスマホやPCのACアダプタのコードを借りて挿せばいいので、とても手軽です。
一方で、気になるところもあります。
振動する。くすぐったい
骨伝導の原理上どうしても仕方ないのですが、振動があります。普段は気になりませんが、音質(相手の声質)によってはくすぐったくなるレベルで震えます
(スポーツ中で自分も体を動かしているときならともかく、通常のおとなしくしている環境で音楽を聞くにはあまり向かないのでは? ボーカルや重低音でいちいちくすぐったくなりそう)
締め付けがきつい。頭が痛くなる
バンドがきつめです。スポーツ向けの製品なので、運動していても落ちにくくするためでしょうか。
バンドのサイズ調整もできないため、長時間つけていると頭が締め付けられて痛いです。せっかく耳は痛くなくなったのに。
使っているうちにいくらかゆるくなってくれることに期待です。(それでずり落ちやすくなったら今度はどうしよう)
なお、重さはほぼ感じないです。単に締め付けだけが気になります。
この先は難点というよりも難癖に近いレベルになりますが、地味に残念なところ。
電源のON/OFFがボタン長押し。待たされる
Voyager Legend は電源がスライドスイッチVoyager Legend は電源がスライドスイッチなので(右写真上)、手探りでも間違いなくON/OFFできました。
OpenMove は2つ並ぶボタンの右側が電源等OpenMove は、2つ並んでいるボタンのうち突起のあるほうを長押しする方式(右写真下)。ON/OFFされるまでの2~3秒間待たされながら「押すのはこっちのボタンで良かったんだっけ?」と毎回毎回思わされるのが地味にストレス。
電源の状態を単体では視覚的に確認できない
スライドスイッチならいま電源が入っているかどうかは一目瞭然ですが(上の写真でグリーンが見えていればON)、長押しタイプだと見ても分かりません。電源を入れようとしてボタンを長押ししたら「終了します」と音声案内が聞こえて「あー電源入れっぱなしだったか…」というつまらぬ事故がたまに起きます。
PCやスマホ側で接続中かどうかを見ればよいのですが、ヘッドセット単体でパッと見で分かればもっと嬉しかった。
バッテリー残量も視覚的に分からない
OpenMoveのバッテリー残量をAndroidで確認視覚的にバッテリー残量を確認する手段がないのも惜しいです。
ペアリングしたスマートフォンでは電池残量を表示できますが(右写真)、Windows ではできないし。(それはMicrosoftが悪いのでしょうが)
音声でのバッテリー残量が不親切
視覚的に分からなくても音声では電池残量を案内してくれます。してくれるのですが、電源を入れた後、さらに音量ボタンを押さないと教えてくれないというひと手間がちょっとまどろっこしい。(Voyager Legend は電源を入れるだけで「あと何時間」と教えてくれます。)
しかも音声案内は「満充電」の1つ下がもう「半分」で、段階がちょっと大雑把です。(ちなみに上の写真にあるスマホ上の残量表示は20%刻み。これなら許容範囲です)
周りがうるさいと聞き取れない
「骨伝導は骨を伝って直接音が聞こえるので、騒がしい環境でも聞き取れる」と誤解している人がたまにいますが、周りがやかましかったら聞き分けは無理です。
そんな人のためなのか、耳栓がわざわざ付属品として付いてきます。でも、騒がしい環境で音を聞きたいのなら開放的な骨伝導タイプではなく、耳を完全に塞ぐ遮音性の高いアクティブノイズキャンセル付きヘッドフォンを使ったほうがいいと思います。

まとめ:良いけど人を選ぶかも

以上、不満がないわけではないものの、総合的にはいい買い物でした。
ただ、振動がくすぐったいのはどうしても耐えられない人がいそう。使ってみないと自分に合うか分からないので、なかなか万人には勧めにくいですね、骨伝導。