2011-05-23

Emacs23でjs2-modeを使うのにもうespressoは不要

EmacsでJavaScriptを書くのに欠かせないjs2-mode
Emacs23に入れ替えたついでに、設定を見なおしてみました。

※追記

いろいろカスタマイズする方法を書いたんですが、もっと便利なjs2-mode (フォーク版)というのがあるのを知りました。
そちらを使うほうが早くて簡単で高機能です。
(ちょっと古いけど日本語での紹介

なのでこの下はもう読まなくてもいいんですが、いちおう残しておきます……。


js2-modeの不備を補うためにespressoを併用していたけれど…

js2-modeは大体すばらしいのですが、インデントがいただけません。
たとえばコールバック関数を書くとき。
window.setTimeout(function(){
                    doSomething(); // インデントの基準が丸カッコの位置に…
                  }, 1000);
左にスペース空きすぎです。
やっぱり次のようになってほしいのです。
window.setTimeout(function(){
  doSomething(); // インデントの基準は前の行
}, 1000);
そこでポピュラーなのが、js2-modeとは別のJavaScript用メジャーモード「espresso-mode」を併用する方法。
元ネタはたぶんココだと思われます。

というわけでespresso-modeのサイトに行ってみたら、次のようなお知らせが。

「espresso-modeはGNU Emacsのバージョン23.2以降では js-mode という名前で本体同梱になったよ」(意訳)

えっ…!

espresso-modeは別途インストールの必要なし

今回インストールしたEmacsのバージョンは23.3.1。ということはjs-modeはバッチリ同梱されているはずです。
そこで、espresso-modeを別途インストールするのではなく、同梱のjs-modeを利用する方向に切り替えてみましょう。

と言っても何も難しいことはなく、.emacsとかに書く「espresso」の部分を単純に「js」に置換すれば終了です。

(autoload 'js-mode "js")
(defun my-js2-indent-function ()
  (interactive)
  (save-restriction
    (widen)
    (let* ((inhibit-point-motion-hooks t)
           (parse-status (save-excursion (syntax-ppss (point-at-bol))))
           (offset (- (current-column) (current-indentation)))
           (indentation (js--proper-indentation parse-status))
           node)
      (save-excursion
        ;; I like to indent case and labels to half of the tab width
        (back-to-indentation)
        (if (looking-at "case\\s-")
            (setq indentation (+ indentation (/ js-indent-level 2))))
        ;; consecutive declarations in a var statement are nice if
        ;; properly aligned, i.e:
        ;; var foo = "bar",
        ;;     bar = "foo";
        (setq node (js2-node-at-point))
        (when (and node
                   (= js2-NAME (js2-node-type node))
                   (= js2-VAR (js2-node-type (js2-node-parent node))))
          (setq indentation (+ 4 indentation))))
      (indent-line-to indentation)
      (when (> offset 0) (forward-char offset)))))

(defun my-indent-sexp ()
  (interactive)
  (save-restriction
    (save-excursion
      (widen)
      (let* ((inhibit-point-motion-hooks t)
             (parse-status (syntax-ppss (point)))
             (beg (nth 1 parse-status))
             (end-marker (make-marker))
             (end (progn (goto-char beg) (forward-list) (point)))
             (ovl (make-overlay beg end)))
        (set-marker end-marker end)
        (overlay-put ovl 'face 'highlight)
        (goto-char beg)
        (while (< (point) (marker-position end-marker))
          ;; don't reindent blank lines so we don't set the "buffer
          ;; modified" property for nothing
          (beginning-of-line)
          (unless (looking-at "\\s-*$")
            (indent-according-to-mode))
          (forward-line))
        (run-with-timer 0.5 nil '(lambda(ovl)
                                   (delete-overlay ovl)) ovl)))))
(defun my-js2-mode-hook ()
  (require 'js)
  (setq js-indent-level 2
        indent-tabs-mode nil
        c-basic-offset 2)
  (c-toggle-auto-state 0)
  (c-toggle-hungry-state 1)
  (set (make-local-variable 'indent-line-function) 'my-js2-indent-function)
;  (define-key js2-mode-map [(meta control |)] 'cperl-lineup)
  (define-key js2-mode-map [(meta control \;)]
    '(lambda()
       (interactive)
       (insert "/* -----[ ")
       (save-excursion
         (insert " ]----- */"))
       ))
  (define-key js2-mode-map [(return)] 'newline-and-indent)
  (define-key js2-mode-map [(backspace)] 'c-electric-backspace)
  (define-key js2-mode-map [(control d)] 'c-electric-delete-forward)
  (define-key js2-mode-map [(control meta q)] 'my-indent-sexp)
  (if (featurep 'js2-highlight-vars)
    (js2-highlight-vars-mode))
  (message "My JS2 hook"))

(add-hook 'js2-mode-hook 'my-js2-mode-hook)

なお、元サイトからはついでにちょっぴり書き換えています。
・インデント幅を2に変更
・私の使わない行をコメントアウト

これを.emacsや.emacs.d/init.elなどに書けば、コールバックを渡すたびにイラッとすることもなくなります。
ついでにswitch文のcaseの位置や、変数宣言が複数行に渡る場合も快適に。
// BEFORE:
var x = 0,
y = 1;     // 変数宣言の途中で改行すると、前行の頭がインデントの基準だった

// AFTER:
var x = 0,
    y = 1; // 前の行と変数名の位置が揃って気持ちいい

js2-mode 小ネタ2つ

備忘録ついでに js2-mode の小ネタを2つほど。
  1. バイトコンパイルしましょう:
    M-x byte-compile-file 【RET】(js2-mode.elのパスを入力)
  2. js2-mode.elはダウンロードページよりsvnのほうがちょっと新しい:
    ダウンロードページにあるのは 2009/7/23(rev73) ですが、svnのほうは 2009/8/8(rev80)。ちょっとだけ新しいです。
    svn使わなくても、Webブラウザでhttp://js2-mode.googlecode.com/svn/trunk/js2-mode.elにアクセスすればダウンロードできます。

2011-05-21

MeadowからNTEmacs23に乗り換えた

テキストエディタは長らくMeadowを使ってきました。コードを書く分には特に困ることもなかったのですが、ただ、UTF-8なファイルで「~」や「①」などの取り回しがどうもうまくないのはちょっと気に入らないところでした。
大したことじゃないと目をつぶってきましたが、Emacs23だとこれらの文字も正常に扱えると聞いたので、導入してみます。

gnupack版NTEmacsをインストール

本家にもバイナリはありますが、IMEにちゃんと対応したパッチが当たっているというgnupackのほうを使います。
現在のバージョンは 23.3。

tramp(ange-ftp)が動くようにする

サーバー上のファイルを直接編集できるのがEmacsの凄いところなのですが、これがうまく動いてくれません。
調べてみたら、別途 ftp.exe を用意する必要があるそうです。

Win7のタスクバーにピン留めできるようにする

できなくてもそれほど困りはしないですが、できるようになると気持ちいいです。
runemacs.exeのショートカットに「GNU.Emacs」というAppIDを設定する

Meadowと比べたEmacs23雑感

  • 動作が早い
    起動も、新しいフレーム(ウィンドウ)開いた時も、キビキビしてます。
  • 「~」や「①」などが化けない
    Shift_JIS(CP932)でもUTF-8でも正しく扱えて、かつWindowsのクリップボードにコピーしても化けません。
  • フォントの細かい調整はできない?
    Meadowで細かい調整をするのに使っていた w32-logfont がEmacs23では使えません。同等の設定はできるのかもしれませんが、elispは難しい…。
日本語向け文字コード設定の例は http://nijino.homelinux.net/emacs/emacs23-ja.html を参考にしました。

関連リンクにあるPDFを読むと、Emacs23が新たに採用したJIS X 0208→Unicodeのマッピングのバラエティの多彩さに感動します。
たとえば「~」の揺れの扱い。5種類の方法からユーザーが好きなものを各々選択できると。
  • 積極JIS派
    あらゆる「~」はU+301Cに寄せたい。U+FF5Eの存在を許さない
  • 消極JIS派
    Shift_JISやEUCの「~」はU+301Cに寄せたい
  • 中立派
    Shift_JISやEUCの「~」はU+301Cでいいし、CP932の「~」はU+FF5Eでいい
  • 消極Windows派
    Shift_JISやEUCの「~」はU+FF5Eに寄せたいが、それ以外は中立
  • 積極Windows派
    あらゆる「~」は U+FF5Eに寄せたい。U+301Cの存在を許さない
これなら極右から極左まで、みんななかよくEmacsを使えるというわけです。すごい。

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