2009-11-12

舶来NAS「Maxtor Shared Storage II」搭載HDDに潜む恐ろしい罠

半年ほど前に買った謎の格安NAS「Maxtor Shared Storage II」。なぜ安かったかと言うと、どうも次の2つの理由があったみたいで。
1) 設定画面のユーザインタフェースが日本語非対応(保存するファイルの名前や内容には日本語は問題なく使えます)
2) 搭載されているHDDがSeagateのバグありHDD(MaxtorはSeagateに買収されています)

1) は大した問題じゃないんですが(設定画面なんてそうしょっちゅう見るものでもないですから)、2) はけっこう致命的な問題で、具体的は「ある日突然HDDにアクセスできなくなる(ロックしてしまう)」というもの。
参考:7200.11不具合 - HDD購入情報Wiki
ちなみにこのNASに載ってるのは「Barracuda ES.2 SATA(1TB)」。

ロックしちゃったら最後、そのHDDはBIOSレベルで認識できなくなります。ただしファームウェアの論理的な障害なので、HDDに保存してあったデータ自体は残っているのはせめてもの救い。

●ロックしちゃったらどうすればいい?

保証期間内なら良品と交換してくれるみたいですが、空っぽのHDDをもらっても「そういうことじゃなくって!」と言いたくなります。記憶媒体にとって大事なのは「媒体」じゃなくて「記憶」なわけで。
本国ではデータ復旧してくれるという話もありますが、日本法人はそういうケアはしてくれないみたいで、仕方ないのでネットでは自力で解除する方法が編み出されています。すごい。

ただし、HDDを分解して、使われてない端子に信号線つないで、シリアル通信でコマンド入力する……という、かなり手先の器用さを要求される仕事です。
いくつか電子パーツや珍しいネジ回し(トルクドライバー)を用意しなければなりませんが、自分で下調べして買いに行くのが面倒な場合、必要な道具や部品が揃ったキットが2~4千円くらいでオークションに出品されてますので、それを買っちゃうのもアリです。秋葉原までの電車代や所要時間を考えると、キットのほうが安いくらいかも。
ロック解除キット(Yahoo!オークション)

そもそも自分で作業する自信がない……という場合、HDD修復業者に依頼するという手もありますが、数万~十数万円かかります。
ところがオークションを見たら、「ロック解除作業代行」を数千円で請け負っている個人もいる模様。作業をロック解除に限定してしまえば、通常のHDD復旧よりも遙かに簡単だし、やることが決まりきってるからか、HDDの送料を含めてもキット代プラス2~3千円程度で済みます。HDD内のデータの重要度(機密性)次第では、自分で作業するより代行サービスを頼んだほうがむしろリーズナブルかもしれません。
ロック解除代行(Yahoo!オークション)

●ロックさせないにはどうすれば?

あらかじめHDDのファームウェアをアップデートしておけば、このロックバグは解消される――とされています。
ただ、調べてみると次のような話も。
アップデートしてあってもロックされることがある?
ロックとは別のバグもある

なんというか、このHDDのことはあまり信用せず、バックアップ専用にでもするのがよさそうです……。

●「Maxtor Shared Storage II」(MSS2)搭載HDDの特殊事情

まず、MSS2搭載のHDDを取り出すにはMSS2を分解する必要がありますが、そのときMSS2の保証は無効になるのでご注意を。「これをはがすと保証は効かなくなるよ」というシールに隠されたネジを外さないと分解できません。
まあ、MSS2はもともと国内正規流通品じゃないので、保証なんてあってないようなものですが。

そして取り出したるMSS2内蔵HDD、「ラベルに書いてある型番と中身が違う」というとんでもない罠が潜んでいます。

HDDのラベルには「Barracuda ES.2」(型番ST31000340NS)と書かれており、Seagate公式サイトによるとこのモデルは「サーバ・エンタープライズ向け」とあります。
ところがHDDをPCに接続して、ツール等から型番を見てみると、デスクトップ用の「Barracuda 7200.11」(型番ST31000340AS)と表示されるのです。

参考:2ch NAS総合スレPart13 (LAN接続HDD)

259 :不明なデバイスさん :2009/05/09(土) 18:20:30 ID:Pfkqk1VJ
>>255
同じです BIOSはST31000340ASと認識する でもラベルにはNSと書いてある
270 :不明なデバイスさん :2009/05/10(日) 09:53:53 ID:MjYWIxVl
うちもラベルはST31000340NS、BIOSから見るとST31000340AS firmがSD35
413 :260 :2009/05/18(月) 23:10:44 ID:lvlpkCXR
Seagateから最終解答。
MSSII内蔵HDDの話ですが、あくまでラベル表記(NS)が正しく、
ASと表示されるのはToolの誤認識だそうです。原因は不明だそうでw

そしてそれなら何故SN06へファームアップ出来ないのかは謎のままorz
420 :267 :2009/05/20(水) 22:05:06 ID:ZwZrViLM
>>413
少なくとも我が家のHP XW4600とIntelのG45マザーだと、BIOSレベルでもST31000340ASって出るんだけどね。

ファームウェアをバージョンアップする際も、ES.2(NS)用ではなく7200.11(AS)用のアップデータを使う必要があるようです。メーカーとしては「どうせNASの筐体を開けるなんてことはしないだろうから(保証も効かなくなるし)、ラベルを貼り間違えたHDDを使っちゃっても分からないだろう」ということなんでしょうか。

この「ラベル間違い問題」が厄介なのは、ラベルにあるシリアル番号をSeagateのサイトで調べると、「このHDDはロックバグの対象ではない」と言われるのです。実際には思いっ切りロックするのに……。

●HDDを交換できるのか?

というわけで、このHDDはバックアップ用に回すことにして、代わりにまともなHDDを取り付けたいところです。って、そんなことできるのでしょうか? 玄箱じゃあるまいし…!?

実はできるのです! 詳しくは次の記事で。

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